« あけましておめでとうございます | トップページ | 『殺人者たちの午後』を読む »

『「狂い」の構造』を読む

正月にふさわしくない読書の第一弾です。

「狂い」の構造 (扶桑社新書) Book 「狂い」の構造 (扶桑社新書)

著者:春日 武彦/平山 夢明
販売元:扶桑社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

精神科医の春日武彦教授と、「このミス」作家の平山夢明氏の対談、いや、放談による構成です。

新書ということもあり、ちょっと手に取りにくい雰囲気があるかと思いますが、中身はなんだかライトな口調で、たとえるなら

「頭のよい人たちが飲みながら『これって、狂ってるよね~』という話をしているのを、隣でやはり飲みながら、うなづきながら、聞いている」感じです。

日本で起こった有名な事件、たとえば光市母子殺人や、パチンコに夢中になって子供をバイクのメットボックスに入れて放置して殺しちゃった事件などから、果てはマンソンなどのアメリカを代表する歴史的(いいのか、このいいかた)連続・無差別・猟奇的殺人についても言及しています。

頭のよい人たちの会話ですが、要は「面倒くさいが狂いのはじまり」というのがなによりのキーワードです。

パチンコいきたいな

→子供がいるしなあ→「そんなのちょっと放っておいても大丈夫よ、うちも大丈夫だったし」なんて言う人がいて、そうかなあなんて思う

→ちょっとだったら、大丈夫よね(ほかの方法は面倒だし)

→あ、このメットボックスちょうどいいや(預ける人とかいないし、面倒だし)

→たまに様子みればいいじゃん(面倒だし)

→さっきみたときは大丈夫だったから、まだ大丈夫(面倒だし)

→あ、子供が死んでる!!

てなわけで、狂ってますよね、この親。

ほか、東海村の臨界事故もバケツなんかで作業したからあんな大きな事故になってしまったわけで。なぜ放射性危険物をバケツで作業したのか? それは「面倒くさかったし、今までもそうしていた」のが原因。

人って、ちょっとのきっかけから狂った方向に進むわけですね。

ラクなほうへ、なんにも考えず流れていく。その「面倒くさい」の積み重ねが「狂い」の始まりであるというのには、納得です。

では、自分が「ヤバいなあ、生きるの面倒だな、今、狂っていく感じかもなあ?」なときはどうすればよいのか。春日教授はこういいます。

「部屋を掃除しろ!」。

なんだ、それ(笑)。いいなあ!

ややハイになった感じの平山氏の口調と、ちょっと突き放すような春日教授の口調が、とてもテンポいいです。

いつもの表現ですが、「あっという間に読めます」。国内外、古今東西の殺人事件などに興味のある方にも、面白く読めると思いますよ。

|

« あけましておめでとうございます | トップページ | 『殺人者たちの午後』を読む »

「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

「書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« あけましておめでとうございます | トップページ | 『殺人者たちの午後』を読む »