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『球体の蛇』を読む

『向日葵の咲かない夏』を読んで、「作品としてはそんなに好きではないけれど、作家として、この人、発想が面白い。才能あるなあ」と感じた、道尾秀介。『片眼の猿』を読んだときは、「なんか、やられたって感じ。あまり好きじゃないけど」と感じました。

正月にふさわしくない読書、最後は、道尾秀介の『球体の蛇』です。

球体の蛇 Book 球体の蛇

著者:道尾 秀介
販売元:角川書店(角川グループパブリッシング)
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個人的には、すご~~く、面白かった! なんと2時間もあれば読めてしまったのですが、今年のベストワンです。(まだ4冊ぐらいしか読んでないけど・笑)

登場人物は少ないのですが、読んでいて、すぐに、どの人がどんな顔をしているのか、どんな服でどんな髪型なのか…。自然に想像してしまうのです。

特殊な人物がでてくるわけではないのですが、なんだか見えてくるのですよ。筆力でしょうね。

筆力といえば、この本、1行もムダがない。ふつう、読んでいて、ちょっとかったるくなって、ナナメ読みしたりしますよね。背景や自然描写や行動描写をちょっぴりとばしたくなる。でも、この本はそういうことがないんです。読んでいる文章、どれも「読ませられるてしまう」のですよ。不思議~~。どんな描写もス~ッと入ってくるんですね。

さて、ストーリー。う~ん、とにかく読んでみてください。アマゾンに書いてあるストーリーや、オビに書いてある文章は、単なる入り口に過ぎません。その先がもっと面白いのです。

どこかの書評に「多感な年代の迷いやせつなさが迫ってくるのは、『ノルウェイの森』を連想させる」「残酷な青春 真正面から」とありました。

私の感想は、それとはちょっと違うけど、東野圭吾の『白夜行』や、桜庭一樹の『私の男』、向田邦子の『夜中の薔薇』を読んだときの読後感に似ています。

せつなさややるせなさみたいな感じが残る。よき時代のフランス映画のようです。

こんなに面白かったのに、アマゾンのレビューはわずか4件で、びっくりしました。

と思っていたら、この作品、直木賞の候補になったのね。なるほど~。

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