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『贖罪』を読む

ちょっと前ですが、湊かなえの『贖罪』を読みました。(以前『告白』について書いたときのブログはこちら)。

贖罪 (ミステリ・フロンティア) Book 贖罪 (ミステリ・フロンティア)

著者:湊 かなえ
販売元:東京創元社
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田舎町で、都会から越してきた美少女が殺されます。犯人の顔をおぼえていない、その友人である女の子4人。

その4人が大人になってから、一人ずつ、その事件と事件後の自分について語ります。あの美少女殺人の犯人は誰なのか。4人は本当に犯人を覚えていなかったのか?

美少女の母親が、被害から免れた4人に対して吐いた言葉が、彼女たちの人生を狂わせる…。

『告白』同様、話は事件後から書き出されています。事件に関連した4人と被害者の母親のモノローグでつづられています。

4人が美少女を含め、それぞれに対して抱いていた、ちょっと複雑な憧れとうらやみ、エゴ。女の子にありがちな、「仲がよいような悪いような」をうまく表現しています。

前作同様、「ひとつの事実を一人称で語るとき、語り手によってぜんぜん見方が違う。ときに同じ事実なのに180度違うことすらある」という、面白さ。

面白かったですよ、まあ。あっという間に読めます。ひとりひとりの語りの文体は、読みやすいですもんね。ヘアサロンでカラーリングしてもらいながら読んで、読み終わっちゃいました。

ただ、なんだかその4人それぞれが大人になって引き起こす事件が、トートツというか。「風が吹けば桶やが儲かる」みたいな。グリム童話の「屠殺ごっこの話」のような、必然性のない殺人事件(もしくは事故)が4人それぞれに次々とおきるなんて、トートツだよ…。

『告白』は新鮮だったし衝撃的だったけれど、『贖罪』は、前作と同じ手法。いいんだけどね。湊さん、自作はちょっと違った作風で書いて欲しいな。期待したいです。

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